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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2013年7月24日(水)

94.治療効果の有無


甲山緑化植物園にて


緑は安心の色

治療をしていて、改善した場合も、されなかった場合も、何故なのかを考えます。

効果の判断には、患者さんの自覚症状の改善と、術者の体表観察所見(ツボ、舌や脈等々)の改善の二つがあります。

この双方が、効いた、となると話は速く、良かったですね、と喜び合えるのですが、そうはいかない時も多々あります。

患者さんの自覚症状が改善されても、体表観察所見が思わしく無い時は、何かまだ病が隠されてるか、再発するかのどちらかです。

反対に、体表観察所見が改善されてるのに、患者さんの自覚症状が取れてない場合、必ず時間差で良くなっていきます。諦めたら勿体無いです。

また、効果がないのは、治療方法に問題がある場合、患者さんの養生法が悪い場合、病の旧深、信頼関係等々、実に色々な要素が絡み合っています。

先日、体表所見もあまり良くなく、自覚症状の改善も無い患者さんがいました。

年齢的な事と、仕事量の多さもあり気長にと、私は淡々と治療してましたが、患者さんが、一旦これで…と諦めてしまいました。

しかし、数日後、再予約されました。最後の鍼の後、驚く程効果があったらしく。。。

こんな時も、色々な要素が絡んでいます。それを探っていく事、楽しくてワクワクします。

2013年7月22日(月)

93.病の大元は何処?


水の上…涼しそう


黄色は高貴な色

毎日、色々な病の方が来院されます。

その度毎に、病の大元は何処なの?と考える(感じる)癖がついてきました。

ここでの大元とは、身体と心の関係性で、特に心に重点を置いたものですが。

古典にあるように、わだかまりが無く、心がサッパリしている人は、病気になりにくいのです。これを恬淡虚無(てんたんきょむ)と言います。

とは言っても、生きてる限り全てが変化の連続です。身内や他人も介入し、自分だけの問題では済みません。心サッパリは難しい現実が…

その変化に右往左往して、心が捕らわれ、知らない間に、病となる大元を形成していきます。

その大元を見つける事は、ある面マジックの様で、実際、屈折もしているため、的確に捉えるのは本当に難しいのです。

まして、自分の意識より、もっと深い無意識の部分も含んでいますから。実際、分からない事が多く、未熟さを感じる日々です。

私はただ、患者さんが全身で発してる様々な「気」を、素直に受け止め、鍼でアプローチしていく、これが唯一できる事だと思っています。

2013年7月20日(土)

92.アレルギーって何者?


マンゴ、ピーチ、メロン、チェリー

暑い夏、こんな涼しいデザートを頂きました。
あまりに綺麗で、食べるのが勿体無いねと言いつつ…スタッフ三人であっという間の完食。

この直後、元々、果物アレルギーのあるスタッフは喉が痒くなり、首から上が蒸気し真っ赤に。下腿まで痒くなる始末。不便ねと、笑っていたら、今度は私の番。みるみる両方の頬が痒くなり、赤くなっていきます。お互いすぐ治まりましたが。。。

2人とも、アレルギー反応がおきたという事ですが、そもそも現代病とも言えるこのアレルギーって何者でしょう?

単純に言えば、赤味や痒みは陽が過多ということです。陰陽和平が本来の姿ですから、陽(火)過多は、陰(水)不足に傾きます。

陽過多を取って、陰とのバランスを調整するのか、陰を補って陽を鎮めるのか、の選択になります。しかし、その程度により、また、臓腑との関わりにより、さじ加減が変わってきます。その判断のトップには舌診があります。

ところで何故、陽過多陰不足になり、皮膚に湿疹が出るのでしょう。

気候、飲食等々の外的要素から、便秘、無汗、多汗、不眠などを引き起こす内的要素まで、様々な、複雑な理由も潜んでいます。

現代は、どちらかと言うと、多忙で発散ベタ、感情に蓋をしてしまい、溢れた陽が皮膚に出る…こんな風にも思います。

2013年7月18日(木)

91.少しショックな驚き

私は大阪のとある下町に生まれたお陰で、沢山のご近所さんの手をお借りして育ちました。

その中に、畳屋さんのおばちゃんって呼んでるお婆ちゃんがいます。

先日、数年振りに会いに行くと、久し振り過ぎるよ!と太ももを何回も平手打ちされてしまいました。

その力の強い事、驚きました。94歳とは思えません。

更なる驚きは、手が綺麗な事です。さすがに手の甲は私の方がマシですが、掌が私よりずっと若くて柔らかい。少しショック。。。編み物しかしてないからねと笑っておられましたが…

鍼灸師にとって掌は命ともいうべき武器です。自分のややこしい掌を反省しました。きっとここは特別な場所なのかも。

畳のい草の香りは、私にとって最高の理気剤(気を巡らせる薬)です。ホッとします。

血の繋がりも無いのに、こんなに繋がりと愛情を感じる人…それが畳屋のおばちゃんです。

たまに年齢関係無く、そんな人に出会います。不思議な事です。

100歳目指そうねと言うと、こうしてただ息してたら生きれるよと。確かに…さすがに言う事が違います。有るのは無作のみ。

どうかどうか、うんと長生きして下さい。


右がおばあちゃんの手


柔和なお顔


素朴なお顔

2013年7月16日(火)

90.ココ豊岡が原点


ひまわりの中にハート


赤ちゃん葉っぱ柔らかい

先日、豊岡に往診に行ってきました。夏の豊岡は、半端なく暑く湿気が多いです。

ですが、ココ豊岡は、驚く程、いい方達の集まりで、気候とは裏腹、いつも爽やかな気持ちで帰宅します。

お家を提供して下さってるお母さんの面倒見の良さ、信じられない程です。

10畳程の和室を二間、解放して下さり、片側は、お布団を三つ引いて治療室に、片側は、待ち合い室に。

机ひとつ囲んで、お茶、手作りジュース、お菓子やデザートを全員に。お昼は自栽培のお野菜を使ってのお料理ご馳走になります。

豊岡弁での賑やかな雑談中、寝てる人、治療しながらも話に参加する人…家族のような安心感に満ちた風景です。

先日は、チョットしたアレルギーで、私の頬が真っ赤になってるのを心配して、色んな方が色んな情報を次々教えて下さいました。

いつも、術者も患者も分け隔て無く、地のまま有りの儘です。

お母さんの病、実は慢性白血病です。医者の抗がん剤の勧めも無視して、ただ鍼治療を続けて今で8年目。こんなに元気でいいのでしょうかと笑っておられます。

ココは、月一回、私にとって、正に医療の原点に戻れる、そんな処になっています。

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