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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2008年9月27日(土)

Vol.22食のバランスを考えよ~

(消えたバナナ)
1週間ほど前、大手スーパーに買い物に行くと、いつも山積みにされていたバナナのコーナーがすっからかん。
バナナが1本も無い事に「あ、あれかっ」と直ぐに見当がついた。
前日に、ある人気番組がダイエット特集を組んでいた。
その中に、朝、バナナと水を摂取したら昼、夜と何を食べても痩せれるバナナダイエットというものがあった。
またテレビの影響力の大きさに驚いた。
実は私も納豆や寒天などが紹介された時など、とりあえず買いに行ってしまう。
影響を受けている自分に可笑しくなってしまうが。
1週間経った今日も、1本もバナナが無かった。「まだ、みんな続けているんだ~」と心の中で思った。

(バナナは陰性?)
しかし思うに、当然の事ながら、全ての人に、良いと言われている食べ物が同じように効果があったりするとは限らない。
このバナナもその1つ。
バナナは南国で採れるもの。暑い国で成長する食物。それは暑い国で必要だからこそ成長するのだ。暑さを冷ますために。
つまり、バナナは身体を冷やすのだ。
私の鍼灸の師が「食物は乾燥させるとその本質が良く分かる」といわれた事がある。
バナナチップも口に入れたら確かにヒヤッとする。陰性のものだ。

患者さんの中に、去年ぎっくり腰で動けなくなった若い女性がいた。
本当に一歩も動けなかったので往診に行かせて頂いた。
往診もなかなか勉強になる。ぎっくり腰は東洋医学では様々な原因があり一様ではないが、この患者さんは簡単に言うと、強烈なストレスがかかっていたところ、身体が冷え切っていたというのが原因だった。
自宅は一軒家で、ベットは窓の際、カーテンも無し。その上、毎日毎日冬にバナナを食べ続けていた。すぐ止めるように助言した。

(食物の性質)
今は一年中、様々な野菜や果物が売られ、季節感が分からない人も多くなってきている。
夏には夏野菜、冬は冬野菜を食べるのが一番自然なのに。
夏野菜はトマト、きゅうり、ナス、スイカ、冬瓜などなど地上に出来る物が主。
つまり、太陽に向かって伸びていく日向性。
太陽という陽を求めるのは陰性の食物。陰性だから身体を冷やす。陰は陽を求め、陽は陰を求める。(異極相求=違う性質の者がお互いに求め合うこと)
私たちも、普段焼肉やステーキなどと一緒にキャベツやレタスなどの生野菜を自然と採っている。肉は陽性が強い、だから陰性の夏野菜を食してバランスをとっている。
反対に地の下に育つごぼうや大根、にんじんといった根菜類は、太陽と反対の方へ根をどんどん這っていく。
陽の太陽を避ける根菜類は陽性の食物になる。
だから、冬は身体を温める陽性の根菜類を食すのが一般には良い。
「お寿司やさんにガリ」というのもバランスが絶妙と思う。
お寿司などの生ものは基本的に身体を冷やすので生姜で身体を温めるように置いてあるんだと考える。

(自分の身体を考える)
自分の事を考えても、今年の夏はさすがに暑く、果物やヨーグルト、生野菜を身体が求め、多く摂取した。少し寒くなると、これらの物は自然と食べたくなくなる。
肉食や油物が好物と言う人は、陽性(内熱)体質なので多くの野菜を食してバランスをとるべきだ。
ましてや、アトピーなど熱性の疾患がある人は陽気の強いニンニク、油物、肉食を過食すれば悪化することは必然だ。
現代は、食べ物が豊富でストレス社会。どちらも熱化する原因となってしまう。

また、陰(寒)は重く下へ、陽(熱)は軽く上へ向かう性質があるので、足元を冷やして頭ばかりが熱くカッカしている人が多い。
頭寒足熱の反対(足寒頭熱)になって不安定な状態だ。
これではちょっとした事でイライラしたり、切れてしまう。動物でも肉食動物はどう猛であるように。
熱性の人は排泄物(尿、便、痰、目やに、おりものなど)の臭いがきつく、色が濃く、粘っている。自分の毎日の排泄物をよくよく見つめ、自分の体質を自分で知る事こそ大事だと感じる。

2008年9月21日(日)

Vol.21逆流性食道炎

(逆流性食道炎って?)
最近、「逆流性食道炎」と病名をつけられて来られる患者さんが多い。
それも、皆、何ヶ所も病院を回って精神的にも疲れ果てて我が院に来られる。
ある方は、それぞれの病院で様々な薬を処方されたが、最後に行った有名な某大学病院では、「薬は全て止めてください」と言われ今までの治療に不信感を持ったとの事。
また、ある方は、半断食を勧められ体重は激減、今は食べる事に恐怖感がある上、痛みから解放されないと来院された。

胃酸は金属をも溶かす程の強い酸。そんな胃酸が必要以上に分泌されれば潰瘍が出来るのも当然だろう。
逆流性食道炎は字の如く、この胃酸が何らかの原因で食道へ逆流することで食道粘膜が炎症を起こし、胸焼け、呑酸(ゲップ)、食欲不振、胸痛などを起こす疾患だ。

(誤診恐るべし)
逆流性食道炎と言えば、膵臓癌で亡くなった母のことを思い出す。
普段から、食欲不振や胸焼けをよく起こしていた母の一番の訴えは胸痛だった。初めていった病院では「狭心症の疑い」との診断を受け、ニトロを服用するも効果は全く無く、母を心配する兄の方がニトロを服用してみて楽になる始末。
この狭心症との診断から4~5箇所全て循環器系に紹介状を次々と回された。
誤診恐るべし。
病人が多い為かどうか、オートマティカルな大病院の診察に驚くことばかりだった。
弱りきった母に何度も何度も自転車こぎなどの負荷試験をさせた。
絶対、循環器系ではないと思い、近くのクリニックに母を連れて行った。
胸痛は「逆流性食道炎」との診断だった。結局大本は膵臓癌が悪さをしていた。
母の病名は信じられなかったが、的確な診断に今までのもつれた疑問の糸が解けていった当時の感覚を忘れる事は出来ない。

(薬は一生飲む物ではない)
先日、このドクターの一般市民向けの胃・十二指腸潰瘍、逆流性食道炎のお話を少し聞きに行った。
今の時点では、日本人の8割の人が持っているという「ピロリ菌」の存在も潰瘍や食道炎の原因のひとつになっている事。
また、それは、ストレス、お酒、脂っこい物の過飲過食などが原因で、粘膜を「防御(守り)する因子」より「攻撃する因子」が多くなりバランスを崩し潰瘍を作る事。
自分で、ある程度生活を見直してみて症状が取れなかったら検査して、ピロリ菌を滅菌する薬を一週間程服用すれば殆どピロリはいなくなる事などなど。
また、薬に関して、薬は一生止められない物では無く、ある程度良くなったら「ほっとく」のが良いらしい。
理由は無かったが、こんな正直なドクターもいるのだと可笑しくなった。
薬で攻撃し過ぎてしまうと、かえって防御因子まで攻撃して自分で立ち直る力(自然治癒力)が無くなってしまうからだろう。

(ソフトパワーとハードパワーのバランス)
西洋医学が細菌や病巣を攻撃するハードパワーとしたら、東洋医学は自分の中にある自然治癒力を高めて、病気にかからないようにしたり、かかっても治そうとする力を誘引するソフトパワーと言えるかもしれない。
実際、私も、先月リンパ管炎で足が腫れあがり、生まれて初めて滅菌する抗生物質を使ったが、はじめの驚くほどの効果に感謝感謝だった。
しかし、未だに完治しない足に、自分の防御因子(自然治癒力)が相当弱っているのだと大反省している。
いづれにしても、薬漬けにされて来院される多くの患者さんの訴えを聞けば聞くほど、防御因子までをも破壊しない程度の、ひとりひとりに対しての心ある薬の使い方の重要性を痛切に感じる。と共に、今後近い将来、益々防御因子を高める東洋医学の思想が見直されることは必然だと実感する。

2008年9月10日(水)

Vol.20心ある医療って?

(主婦恐るべし)
最近、私が驚いている事のひとつに、良くも悪くも主婦の病院に対する口コミの情報量だ。
数人のご婦人達と話をしていると、どこまで知ってるの?というほど近所にある○○クリニックの情報を入手し交換し合っている。
内科、整形外科、歯医者、皮膚科、婦人科、接骨院にいたるまで話は尽きず超具体的。
看護士さんに至るまで名前入りで・・ホームページもタジタジだろう。
当然、主観が入っているので全てをそのまま受け止めることはできないが、目が回るほどの情報量にはあっぱれだ。
また、一人ひとりが医者に対して何を欲しているかが見えてくるのが何といっても楽しい。
以前、何かの講演会である人が医者に「先生、いい医者と悪い医者の見分け方教えてください」と質問をしていた。
その医者は某医大の教授でもあった。「ひとつは薬を極力出さない先生。もうひとつは、良いうわさがある先生。」との答えだった。単純な中にもちょっと心の中で拍手を送ってしまった。

(どこで、誰に、いつ検査を受けるか)
「私は元気だからいつ検査したらいいかが分からない」「月1回検査をしていたのに2年後にガン末期といわれた」「タバコをすっているので肺がん検診に行ったが、その後に分かったことは、実はすい臓がん末期だった」「5回も週1回検査されただけで全く自分の訴えを聞いてくれない」などなど様々話を聞く。
実際私の母も、胸が痛いと訴え5~6箇所の病院を回ったが原因不明。心療内科へ行くように言われる始末。
結局、近所の町医者が発見してくださり、すでにすい臓がん末期状態だった。
いつ、どこで、誰に検査を受けるのかは非常に重要なことだと感じる。
今は3人にひとりが癌で亡くなる時代。尚のことだ。
自分は癌にならないとはひとりとして言い切れない時代に入ってしまった。

(黄色信号を見過ごさないで)
どんな人が年に一回は検査を受けたほうがいいと思う?と問われたら。私の一般的な考えは次の4つだ。
1、長期にわたってストレスを溜め込んでいる人。
2、生活習慣(睡眠、食事)がめちゃくちゃな人。
3、普段と違う症状が続く人。
4、50歳を超えたら。
5、両親、兄弟など癌家系の人。

しかし私の鍼灸院に来られる患者さんには
超神経質で検査しないと気になって仕方ない人。ともう1つは、患者さんの訴えと、脈、舌、身体のツボなどの反応が鍼をしても変化せず悪い場合には検査を積極的に勧めている。
鍼灸院には肩こり、腰痛は勿論、癲癇や精神疾患、片麻痺、筋萎縮性側索硬化症、癌に至るまで様々な人が現在来て下さっているが、単なる肩こり、腰痛と思っていたら大間違いの病気も多々ある。
昨年も腰痛で来院された人で、症状や東洋医学での所見がおかしかったので検査を勧めたら癌の末期ということがあった。

実際、自分の生活習慣を見直し、その人なりに運動などストレスの発散をしてみて、尚、症状に変化がないのは黄色信号と思っていいのでは?
何でも薬に頼っていたら、何が黄色信号か分からなくなってしまう。

(心ある医療)
東洋医学は検査に出ない部分をも、患者さんの身体に触れ、問診をとって生活習慣や性格の一端をうかがい知り、見つけていく。精神と身体を決して切り離さず身体全体のアンバランスを見つけていく。
西洋医学も様々検査をして病を見つけていく。
どちらも今の医療には必要なものと感じるが、西洋東洋関係なく最低限必要だと思うことがある。
それは、術者は患者さんの痛いところに触れること。
温かい目を向けること。
心ある言葉を発すること。
これらは当たり前のようで現実は真反対が多いのでは?
その上での、技術、理論だと強く感じる。

今年友人のお母さんが救急車で運ばれたときのこと。
某病院の医者がパソコンを見たままボソボソ何かをつぶやき、血液検査を始めだすと「出て行って。早く出て行って!」と私たちに言ったあの声と姿は一生忘れることはできない。

アメリカを代表する医学部の教授も務められたジャーナリストのノーマン・カズンズ博士の言葉に「医師の主な役目のひとつは、患者自身が持つ、病気撃退のために心身のエネルギーを動員する能力を百パーセント発揮させることである」との言葉をかみしめたい。

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