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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2012年9月26日(水)

Vol.102暴力妻と無抵抗夫

数年前来院された男性の顔を見ると、紫のアザが数箇所。どうされましたか?と問うと「妻に殴られまして…」と。遂に女性が男性を殴る時代に入ったのかと。今朝も、まさに妻の暴力がテレビでトピックになっていました。そこでこれを東洋医学で考えてみることに。

東洋医学では「陰」があれば「陽」があるというように、常に「陰陽」で物事を捉えます。単純に言えば、陰は女性、陽は男性です。(身体的にも生殖器の違いが陰陽を表しています)
陽は、「熱」「動」「昇」「明」、陽に対して陰は、「寒」「静」「降」「暗」等々と関連してます。

つまり、か~っと熱く頭に血を昇らせてしまう暴力という行為自体は陽に属します。陰陽は常に相対的なもの(相手があるから成り立つという事)なので、暴力をふるわれる相手も同時に考えないとお話になりません。
きっと暴力を受ける夫は、大人しく静かな陰タイプの人なのでしょう。
普通に考えても、暴力ふるって倍返しされそうに人にはあまり自分から攻撃しないですから。

最近、「生理前になると離婚の危機に陥るほど私大変なことになるんです」と薬で生理を止めておられる患者さんが何人かこられました。皆温厚そうな感じの方ですが。生理前は身体も熱くなって陽が昇りやすくなるためにイライラするためです。薬なしで離婚危機は回避されました。
鍼治療って本当に平和を作る仕事だと感じます。

話は戻って、暴力妻の理由はそれぞれのようですが、抵抗しない夫にイライラする、気持ちを分かってくれない、ジメジメしてる、淋しさの伝え方が分からない等の陰タイプ男性に向けられる事が多く、無抵抗夫の方は、妻に淋しい思いをさせたことを反省したりしてるのです。何て優しい夫でしょうか。
しかし、これでは、他人がいくら心配しても夫婦の陰陽がガッチリハマっているので抜けるのは難しいです。

それでも、いくらでも抜け出す方法はあります。両者のベクトルを変えることです。暴力妻は、エネルギー(鬱憤も含めて)の発散が出来てないので陽が高じて暴力になるのです。よって、運動、友人に話す、歌う、書く何でもいいので内に込めてるもの(鬱憤)を外に出すことです。
無抵抗夫は、母性本能のような優しさに満ちてるのですから、動物飼うとか、メダカ飼育するとか(メダカ療法ってあるようでメダカは癒し効果があるらしい)困ってる人を助けるとか、他に愛情を注ぐ事です。
これらが本質的な解決にならない場合も多くありますが。

ここでの大きな問題は、コミュニケーション不足に起因するように思えてなりません。コミュニケーションの問題の最たるところが夫婦に表れてるのだと感じます。思っていることを話す、対話する、意思の疎通が出来る事。人生でこれ以上の充実と幸せはないと個人的に思っています。
「心と心を通わせる」こんな人間的な行為が失われつつあることこそ大きな問題なのではないでしょうか。

2012年9月22日(土)

Vol.101夢を見る事

皆さん寝て起きたときの夢を覚えていますか?
夢って不思議ですね。考えてもいなかった事が突然出てきたり、その展開が現実離れしていたりと・・・
以前、何かの本で読みましたが、ナチスのホロコーストが行われる数年前から、多くのユダヤの人々が酷い悪夢を見ていたとのデータが出ていたそうです。
こんな風に夢には、予知夢や深層心理、その時の精神状態などが反映される場合があるようです。

私は最近あまり見ないですが、たまに予知夢らしきものを見ます。決まって夜中4時に夢で目が覚めます。その時の夢は殆ど現実になり友人から驚かれる事がよくあります。

東洋医学では、朝4時は、肺の経絡と関係している時間です。また、五神といって各五臓ごとに神(しん)が宿るとされています。

肺の神は「魄(はく)」といって「本能・感覚・反射的動作」と関係があります。
因みに「肝は魂(こん)」「心は神(しん)」「腎は精・志」「脾は意・智」とされ、五臓が家で、神は主(あるじ)になります。つまり、肺という家が働くのは、魄という主がいるから。といった具合です。
ちょっと難しいですか?この辺は「心と体と魂」を一体化して診る東洋医学の面白いところなのですが。

また、夢や霊感などは、大体「肝―魂」が主に関与し、「肺―魄」「腎―精」も関与してきます。

特に「心神」と「肝魂」との間には密接な関係があり、「心神」が不安定になると「肝魂」が不安定に動き出し、夢遊や悪夢などを多く見るようです。中心は「心神」になるのでしょうか。(藤本蓮風著『臓腑経絡学』より)

何かあった時、心の動揺が少ない人は「心神」がしっかりしていると考えられます。心神がしっかりしていると他の臓の安定をとることも容易です。

心神が不安定になる要素は様々で、遺伝的なものから後天的なもの、環境(両親の関わり)甘やかされたり、愛情不足だったり、人間関係の善し悪し、問題の大きさなど人によって違いはありますが、今古典に基づいて研究している所です。

私の師匠は、よく患者さんに「怖い夢とか見るかもしれないからな」と術後声をかけられています。鍼が患者さんの深層の部分、魂に触れると沈んでいたものが浮いてきてそのような夢を見るのだと思われます。
沈んでるのは良くないですから浮かせてるわけです。

悪夢であっても夢を見ることは、自分の鬱積した内面の発散方法のひとつと考えればいいのだと思います。いい夢に越したことは無いのですが・・・

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