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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2009年5月16日(土)

Vol.41新型インフルエンザ

(スペイン風邪)
テレビをつければ新型インフルエンザのことが常時耳に入ってくる。
1918年、今から91年前のスペイン風邪で、世界4000万人以上、日本でも約48万人の死者を出したことを思えば警戒するのは当然のことだ。スペイン風邪といっても、情報がスペイン発で、実際はアメリカシカゴで発生したらしい。これは、第1波が3月で今の様に弱毒性で緩やかな感染、2波が同年秋で強毒性に変化し世界に流行、第3波が、翌年春で、日本に大きな被害をもたらしたらしい。型が同じであることや、これらのことに関しての本もたくさん出版され、恐怖心や不安感は募るばかり。でもまだまだ実際には、真剣にうがい手洗いを日々実行している人はどれほどいるだろう。

91年前と今では医療革新や衛生面など様々異なることが多いので、当時ほどの大惨事にはならないと楽観視はしているが油断は大敵だと思う。
昨日から、神戸で海外へ渡航経験が無いのに新型に罹患している高校生の事が報道され、例年盛大に行われている神戸祭りも中止となるなど、そこに住む住民の人たちの生活に影響が出始めている。

(感動的な講義)
先日、私の所属する鍼灸グループ「北辰会」で、3時間を越える「新型インフルエンザ」に関する勉強会が開催された。
目から鱗とはこのこと。数千年前にさかのぼり、伝染病(疫病)の医学史に始まり、今回の流行性疾患にたいする病の性質とそのメカニズムの講義。
また、気象学の立場からの見解、その予防と対策など、今、西洋医学一辺倒で考えている研究者の人たちに心から聞いてもらいたい内容だった。

人(体質)によって(因人)、季節や時間によって(因時)、その土地によって(因地)、同じ病でもその進行や重症度に違った影響を与える。ウイルスの研究と共に、これらの要素を研究していけば、大いなる法則性が見つかり、その対策や予防に貢献できることは間違いないと確信する。
いくら強毒性のウイルスでも全員が亡くなる訳ではない。
パンデミックになれば4人に1人がかかると言われているが、そのうち3人はかからないのだ。なぜ、かかる人とそうでない人がいるのか。ここにこそ、東洋医学の得意とする理論がある。

(恐れず着々と行う予防に無駄なし)
とにかく、今その予防にひとりひとりが全力を注ぐべき時だ。
パンデミックになってからでは遅すぎる。

まずは、手洗い(15秒以上)とうがい(イソジンなどの薬は使用しない)を徹底してすること。
そして、もうひとつは、この疾患は、温疫病(うんえきびょう)といって熱性のものなので、自分の今の体質が熱に傾いている人は注意。自分が熱に傾いているかどうかは

1、やたらと冷飲や炭酸系の飲料を好む
1、肉食中心の食生活
1、野菜不足
1、便秘している
1、ストレスの発散をしてない
1、ほとんど運動しない
1、タバコをすっている
1、尿や便の色が濃く、臭いがきつい

このような人は、身体の中に内熱を溜め込みやすい、または、溜め込んでいると、東洋医学では考えるので、注意が必要だ。野菜を沢山食したりなど、上記の項目に注目してほしい。
とにかくも、内熱(体温とは区別)を溜めないことが大事。
私の鍼灸院では、騒がれ始めた当初から手洗い、うがい、消毒をしてから入室を徹底している。また、待合室と診療室の間にニンニクを沢山ぶら下げている。
数年前に、小学校の教室の前にニンニクがぶら下がっている所は、インフルエンザの感染者ゼロとの報道がされていたからだ。

(精神力こそ衛気を守る)
そして、何より、自分は感染しない!!!との大生命力こそ大事なのでは。
東洋医学でも、衛気(えき)と言って、身体を防衛してくれる気が存在する。
この衛気がしっかりしている人は、外邪の進入を防いでくれる。
仏法の言葉の中に、「色心不二(しきしんふに)」とあるように、色(環境)と心(精神)は不二(二つであって二つで無い)。つまり、切っても切れない関係にあり、根底では繋がっていると説く。

環境破壊、自然破壊の中で、温暖化が生じ、温暖化から多くの国で飢餓が生まれている。日本ユニセフ協会のアグネス・チャン大使が、西アフリカのサヘル地帯へ行かれ、そこで目にしたのは、牛飼いの少年が何も食べていないからといって、ヤギなどの家畜が飲む黄色い濁った水を当たり前のように飲んでる姿や、45度を超える灼熱の鉱山で子供たちが1万人以上働いている現実。その背景には温暖化による気候変動の影響があると言っている。
変異した得体の知れないウイルスが猛威を振るいだすのも、色心不二の原理から、人間の精神の乱れによるところが、いかに大きいかと思わざるを得ない。
今こそ、何が一番大切なのかを一人一人が真剣に考えるときが来たのではないか。
また、大いなる自然の姿から、謙虚に人間の内面を見つめる時ではないかと考えるひとりだ。

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