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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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院長のブログ 実千代院長の最新ブログ

2013年4月19日(金)

46.こんにちはアイスマンさん

先日、録画したアイスマンをやっと見る事ができました。

アイスマンは、ヨーロッパのアルプスで5300年前に発見され、特別な部屋で20年間冷凍保存されていました。5320年ぶりにこんにちはです。

身体が凍った状態では表面だけしか見れません。技術の進歩によって、今回、遂に、内部を調べることに。人の手が一切加わっていないミイラですからワクワクします。

胃の中を開いてみると、胃袋は満腹状態に。様々な動物の肉、植物、ハーブ、パンの存在も確認されました。これは、味や香りを気にして食事をしている証拠だそうです。

そして、皮膚のあちこちに付けられた不思議な刺青の跡。服で隠れる場所ばかりについています。実はこの場所が、現代の鍼灸治療のツボの位置と一致したのです。

三焦兪、腎兪、崑崙、曲泉、陽輔といったツボです。刺青はツボの位置を示すためだったのです。鍼灸の最古の残存書物は、約2000年前の『黄帝内経』ですから今回の発見は驚きです。このアイスマンさん、腰椎すべり症と診断されました。

発見された場所は、三大文明からは遠い場所。このような場所では、文明とかけ離れた原始的な生活をしていると考えるのが常識とされてました。しかし、上記の他、衣類の縞模様や銅の斧なども合わせて、今迄の常識を覆しました。歴史が千年変わったらしいのです。

再びアイスマンさんは、冷凍保存され、取り出した物の半分は体内に戻されました。新たな発見を未来に託してです。

人間の英知、ロマン、常識を塗り替えたアイスマンさん、何てお役に立つ方でしょう。彼のつぶらな瞳が魅力的でした。

2013年4月17日(水)

45.簡単な見落とし

色々な患者さんを治療させて頂きながらも、自分の事になると案外迷路に入る時があります。

私事ですが、先日、喉痛が治ったと思ったら、鼻水と鼻詰まりが始まりました。この鼻詰まり、何と10日間も治りません。こんな事は初めてです。

患者さんからも、先生お風邪?花粉症?珍しいですね!お大事に~と情けない言葉の嵐。中には、とても嬉しそうにされる患者さんも。。。スタッフにもかなり心配をかけてしまいました。

この鼻詰まりですが、身体が比較的元気ですから休息もとらず、睡眠不足、過食の毎日。これでは治るはずもありません。

しかし、ここで1番問題なのは、今の自分は元気(実)だと思い、鍼治療を瀉法(しゃほう)を中心に考えた事です。

瀉法とは、過剰なもの(実)を取り除き散らす方法で、足りないもの(虚)を補う補法と反対の治療方針の事です。

本当に元気(実)なら、瀉法をして数日で治るはずなのです。
今回、何故このように治らないのかと、本当に困り切って疲れてきました。

10日後、ある先生に舌を見せると背後に虚があると言われて、やっと気づきました。

そこで、合谷というツボの一番弱っている所に、補う補法の鍼を施すと、ドンドン鼻詰まりが楽になり、身体も元気になっていきました。同じツボを使っても、こんなに違いがあるなんて…

師匠に鍼をして頂いた時、普段と違うツボに打たれた時点で気付かない自分は、本当にバカだと反省しました。

鍼は虚実が命だと今更ながらの体感でした。(虚実も刻々と変化しますが。。)

これでやっと明日から爽やかな声で治療に臨めそうです。あくまで不摂生を止めればの話ですが。

2013年4月15日(月)

44.小さな素敵な事

世の中には、素敵だなっと思う人が沢山います。電車の中にも、短かな日常の中にも、テレビや雑誌の中にも…たくさん。

素敵と感じるのは、外見とかでは無くて、その人の行動や考え方にあります。

今日、電車の中で隣に座っていた若い男性が、前に立っている人を見ると、サッと手招きして黙って席を譲られました。

譲られた人は、若い女性でしたが、マスクをされていて、重そうな荷物を手にしていました。
普通なら代わらないかもしれないその方に…。きっと身体の具合を察しての事でしょう。
その女性も、会釈をされ直ぐに座られました。阿吽の呼吸ともいうような。。。

こんな何気無い、小さな事が素敵な出来事として私の心に積まれます。

きっと、この男性は豊かな生き方を今後もされていかれるのだろうと感じます。

暗くて寒いだろうと思って相手の為に灯した火は、自分も暖かく照らすという故事があります。

小さな素敵な行動の積み重ね。そこには、私心が無くて、ただ相手のために…なのでしょう。

人間らしい高貴なその心、きっと誰もが持ち合わせているのだと感じます。

あとは、行動に出来るかどうかだけで。。。そこに、自分らしい意思のある生き方か否かの違いが出てくるのでしょう。

2013年4月13日(土)

43.一流の情熱に触れて

半年ほど前に購入したチケットを手に、一昨日珍しくひとりでコンサート会場に向かいました。

大阪フェスティバルホールの杮落とし公演でのオペラ鑑賞の為です。1番安い席でも3万円程するので遠慮して誰も誘いませんでした。

韓国人で世界的に有名な指揮者、チョン•ミョンフンさんの指揮に触れる事が私の目的です。
毎年、彼が関西に来られないかとチェックしますが、滅多に来られず、東京公演でも時間が合いません。今回は約6年ぶりの参加です。

この方がタクトを振ると、全てが変わるのですから魔法の様です。
音楽が変わり、空気が変わり、人々の心に深くタッチします。私は、一ヶ月近くは余韻が残って高揚感が持続するのですから、何万円出しても全く惜しくありません。

さて、ここまでは、コンサート前に書きました。続きは行ってから…。

この日、三倍の得をしてきました。指揮者は勿論の事、新生フェスティバルホール、メインのオペラ、と超一流に触れてきました。感動は魂まで響くようでした。約3000席は満席。。。建物も、人物も、全て一流と言われるものは、相手への配慮が抜群です。

たまに、こんな贅沢も心の肥やしになって良いものです。

指揮者のチョン•ミョンフンさんは、この日も絶好調でした。
何年経っても人を引きつける、この魅力は何でしょう。

きっと、音楽を通して人を幸せに、との彼の情熱の深さに引き込まれるのかも知れません。

2013年4月11日(木)

42.恵美子さんに感謝

先週、師匠が居られる奈良から、篠山市まで、母のお墓を経由して車を走らせました。

6年前に出会った恵美子さんという、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんの訃報をお聞きしたからです。

一度だけ師匠の元にお連れして診察を受け、その後、アドバイスを頂きながら5年間、治療させて頂いた患者さんです。

当初、医者から、間も無く食事が口から摂れなくなるので、今から胃瘻(胃袋に穴を開けて栄養剤を注入する方法)をしましょうと、4ヶ月連続で言われたそうです。

グルメの恵美子さんです。医者の言葉に憤慨し、結局、4ヶ月目でその病院に行かなくなり、近所の町医者に月一回の検診だけ受けることに。。。

恵美子さん、私と出会った時は、喋ることも動くことも全くできない状態でした。
ご主人も仕事を辞め、先月亡くなるまでの6年弱、1時間以上彼女の側を離れた事はなかったとのこと。

そんなご夫婦が、5年間、はるばる篠山市から西宮まで車椅子を乗せて通って下さったのです。

恵美子さんが、大泣きされたのは、初めて私と篠山市で出会った時の一度です。あとは、声無くも、可愛い目を細めて嬉しそうな笑顔ばかりでした。

ここ1年ほど、お見えにならず心配していましたが、2人の息子さんのご結婚、お姑さんの他界、そして、ご主人の大腸ガンの手術と続いたらしく…

ご主人の大腸ガンが検査にて、全く大丈夫ですとの報告を聞いた次の日、突然でしたが、本当に安らかに亡くなられたそうです。

喋れない動けない辛さに耐え、全ての家族の幸せを見届けて逝かれた恵美子さん、ご主人と感動をもって偲びました。

ご主人が、彼女は、3月17日未明亡くなる前日まで、美味しそうに食事をしてましたと。。現実です。

この日の丹波篠山の満開の桜は、彼女の優しい笑顔のようでした。恵美子さん享年66歳。またいつか何処かでお会いしましょうね。

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