師匠のお玄関…美し。
臨床10年以上が経って、益々感じるのは基本の大切さです。
先日、北辰会の基礎コースでの講義を聞いていて、発想や着眼点などが様々に広がりました。
基礎あってこその応用…実感しました。
師匠との勉強会でも、疾患に対する基礎的な考え方、そして、人間を見つめよ、という事を常に徹底されます。
臨床に携わるほどに、後から師匠の言われていた一言一言の重みを感じます。
私もまだまだこれからですが、基礎は叩き込んで固める事が大切です。
その上に様々な展開が期待でき、難病も難病で無くなるのでしょう。
こんな気候になると、久しぶりの患者さんからよく電話が入ります。
10日程前までは涼しく、お布団にくるまって寝ていたのが、ここ5日間はクーラー無しでは過ごせ無い蒸し暑さ。。。
この湿気は、脾の蔵(簡単に言えば消化器系全般の機能)を弱めます。
下痢、倦怠感、むくみ、ある種の目眩、腹部膨満感等々…発症する人。
この暑さで、冷飲過多となり、益々脾の蔵が弱り、口内炎、歯肉炎、手足口病、ヘルペス等々…発症する人。
元々、胃腸が丈夫で無い人はあっという間に夏バテコースです。
さて、夏はこれから。夏バテしないために出来る事をしなければ。
①ビールと運動後以外は、常温か温かい飲み物を飲みましょう。
②睡眠不足にならないよう、温度調節しましょう。因みに私はベットに入る3時間前にクーラーを付けて、寝るときは消します。北向なので朝までぐっすりです。
③蜂蜜レモンや梅干を必ず摂取しましょう。乾燥梅なんて良いですよ。
④お野菜や果物を普段より多目にとりましょう。青汁もいいね。
⑤炭水化物を若干少なくして、タンパク質を多目にとりましょう。
これだけでも、かなり元気に過ごせます。
お互いに、この暑い夏を元気に楽しく乗り越えたいものです。
以前、師匠も言われましたが、治療はある面、戦と一緒です。邪気と正気の攻防戦です。
思い出せば、体調をかなり崩した時の師匠の治療は、正に、戦に向かう武士の様でした。(大袈裟では無く…)
病に立ち向かうその勢いと迫力。あの時の師匠の治療、忘れる事は出来ません。
私は女性の身ですが、同じ様な気持ちで治療には臨んでいるつもりです。
現実に、重症である程、厳しい闘いです。
冗談言ったり、笑ったりしてますが、それも真剣の上の冗談。全て治療です。
病魔に患者さんと共に勝つ、これが日々課せられてる闘いです。
終なき闘い…幸せな事です。
本当にありがたい事です。
父母の大樹に守られて。
昨年の今日、父が亡くなった日です。
土曜の診療がちょうど終わり、車に乗り込むその時、今亡くなったと電話がありました。
滂沱の涙が溢れましたが、父の青年の様に若返った顔を見て、うそでしょ!と皆んな笑顔に。
亡くなる瞬間、突然、両手を挙げて「万歳!」をし、手が下りたところで今心停止しましたと、看護師さんが飛んできた様です。
後から聞くと、父は大好きな京都からの帰り際、ホームの向こうでバイバイの代わりに万歳をしてたそうです。
見事な最期です。
思えば、母を膵癌で亡くして丁度10年目、2人には共通項だらけでした。
同じ末期ガン。それも、同じく食べられない辛さを味わい、宣告から逝去まで同じ2ヶ月半。
闘病中は有難うの感謝の言葉だけ、本人は苦しいのに寧ろ周囲を笑わせ、鍼灸治療を最期までやり切った所まで全て同じでした。
そして、同じく、告別式が終わったら、見たこともない様な素晴らしく美しい夕日が…忘れられない人生の幕閉め。
怖いほど同じ。。。
ここには、書き切れない程、様々な事がありましたが、何ていう夫婦なのかと驚きです。
私に鍼の素晴らしさを残して、生命の大切さを叩き込んで逝きました。
これからが本当の親孝行だと思ってます。
最後に、思いがけずも、本当に沢山の方々に見送って頂きました。改めて心から感謝申し上げます。
本当に有難うございました。
幸せな父へ
幸せな娘より
「エンジェルス・イヤリング」は西宮初のお花です。
いよいよ酸素マスクをしないと呼吸困難に。
それでも、手足をバタバタさせて、赤ちゃん体操~と超無邪気な感じ。
父のベットの側で寝ていた私の頭を撫ぜ撫ぜしたり…感謝してくれてた様です。
どれだけ笑わせて、泣かせてくれた事でしょうか。笑いの方がダントツでしたが。
殆ど話せなくなった亡くなる1週間程前、たまたま家族皆んなが揃っていた時の事。
父が紙に何かを書き出しました。(天地人は宇宙=仏)そして、ひとりひとりを指差して、皆んな仏さんやなぁ~と…驚きました。
その時の、病室の空気を忘れる事が出来ません。厳粛で、温かくて、幸せで、宇宙空間にいる様な静寂な気がゆっくり流れていました。
父は、癌と言われてから、偉人たちの死に方を書いた本を読んでましたが、
父の最期も、その方々に負け無いほど、高貴な精神だと思わせてくれました。
病によって父はその精神を得たのだと思いました。
完全に癌を乗り越えた父の姿がありました。