「日々の心いろいろ」より(呉羽枝垂れ)
立春を過ぎても極寒の毎日ですが、梅の花は綺麗に咲いてます。もう春が来てますね。
春は「肝の蔵」が活発になる季節。肝には条達(昇発)作用があります。上に昇って発散するという事ですね。
木が地面から養分を吸い上げて葉っぱを伸び伸び広げてる姿です。人も自然の子。生き生き伸び伸びが春の本来の姿です。
でも、上に気が昇り過ぎてイライラし易くもなります。上手に発散してる人は大丈夫(笑)
また体の中の陰液(血液や津液)が充実してる人、つまり潤いのある人も大丈夫(笑)
寝不足や過緊張の日々を過ごしてる人はこの春は辛いですよ~
『霊枢』の本輸篇第二に四季による刺鍼法が書かれてます。
「春の病には絡穴・榮穴・経脈の分肉の間を治療しなさい。重い病は深め軽い病は浅めに」とあります。
確かに春は脈も浮き気味になり、やや速く打ってきてる人が多いですので納得できます。
基本春の正常な脈は微しく弦脈ですが、色々動き出す春は、臨床上様々な脈が診られます。脈診にはいい季節ですね。
春はバランスを上手に取らないと激しい症状が出やすいです。しっかりお散歩しましょうね。
北上する程に雪深く静寂でした。
昨日の日曜は月一回の豊岡往診日でした!
豊岡は盆地で夏は猛暑冬は極寒。人間が鍛えられる土地です。
今年は気温が上がらず道路がアイスバーンらしく久々に電車で向かいました。
雪国に住んでない私にとっては、雪は静寂で美しく心落ち着く景色です。が、
患者さん達は雪かきで筋肉痛やら低体温で大騒ぎでした(笑)
また新しい患者さんが2人来られましたが両人共うつ病を発症されてます。
何れにしても、皆さん下半身が冷え切って上半身が逆上せているか、表面が冷え切って体内部に変な熱がこもってるかです。
この寒熱のひどいアンバランスを整え全身を温かくする事が私の使命です。
うつの方は背中の筋縮というツボに古代鍼を翳すと気持ちいい!と言われ、変な熱(邪熱)を取った事で気が巡り始めました。
気血が巡り出すと不足してる虚のツボは充実してきますし、持ち上がってる実のツボは平らかになります。
お顔もパッと明るくなります。
鍼の面白さはこの辺が如実に変化する所です。
もう春が来ています。患者さんにも!
「日々の心いろいろ」より
最近、患者さんが「先生、私の心の中、デスノートです。。。」と言われました。
デスノート。聞いてびっくり。調べてびっくり(笑)怖いノートね。
他人を傷つける妄想に悩んでる人もいますが、これもデスノート風ですね。
妄想だから大丈夫よ~と言ってますが、今の世の中、どうなっちゃったのか。かなり鬱積したものがありますね。。。
どんな人にも様々な感情がありますが、そんな感情に支配されては苦しいばかりです。
聞くとデスノート感情は、生理前と春に特に酷く出てくるらしく、鍼をする前まで春は外に出れなかったそうです。
まもなく立春です。寒極まっての陽気なので強く感じ、イライラ感情が一気に出てくる季節です。
デスノート風の人は、全ての物事をタイトにせず、ゆったりが大切です。
そしてあまり自分を責めず呑気に(笑)小さな事を楽しんで下さいね。
「日々の心いろいろ」より (キルタンサス)
昨日、今年初の北辰会スタンダードコースに参加してきました!
カリキュラムは、
「北辰会方式の問診~臨床家のための問診~(山本克仁先生)、北辰会方式の体表観察(油谷真空先生)、病因病理チャート作図(藤本新風先生)という
内容、講師陣共に豪華で大充実の初勉強会でした!
レジュメを見ただけでも膨大な内容です。北辰会の鍼灸に対する本気度合いをいつもながら感じます。
次の日スタッフ達に感想を聞くと、全員すごく勉強になったと興奮気味(笑)に話してました!
具体的にもそれぞれ勉強になった箇所や感想が違っていて、聞いてて私が勉強になりました(笑)。
ここ鍼灸院内でも何年も月数回、症例検討勉強会を続けてますので、スタッフ達の感想に少し成果が見られ安堵しました。
やはり基本が出来てないとその上には何も建ちませんね。何事も。
今春、WHOで東洋医学が単なる癒しで無く「医学」として認められるこの時です。
流行り廃れのあるブームを横目で見ながら患者さんの病治しに尽力できるよう精進していきます。
「日々の心いろいろ」より
大好きな画伯のひとりに東山魁夷氏がいます。
この画伯の絵や画集は小さい頃から身近にあったので尚の事です。
画伯は終戦の直前、熊本部隊での自爆訓練中、熊本城から見た風景に生の輝きを感じ、
それがあの有名な「残照」の誕生へと結びつていったそうです。
長野市内にある画伯の石碑には「自然は心の鏡」という言葉が刻まれているらしく…
行ってみたいですね。
この言葉について、
「自然に対する畏敬の念を持って祈る。すると初めて自然は応えてくれる。
自分が自然の中に「溶け込む」状態となり、心が自然の中に鏡の様に映し出される。
だから”独善はいけない”と画伯は強く戒めている。」と、長野県信濃美術館の東山魁夷館長は語られてました。
東山芸術の真髄は、「生と死」という「対蹠(たいしょ)」を描く事だとも言われています。
自然とは生命です。我々も自然の子です。人間の生命にどれだけの畏敬の念を持ってるか否か、
小さな偏狭な考えで生命をみていないか、
それを問うていくのが真の医学だと感じます。