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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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2014年5月27日(火)

雨と脾


雨上がりの薔薇

晴れの日が続いた後に降る雨。
乾いた土が水を吸収し、植物がみずみずしく元気になり、空気もきれいに洗い流される。
雨は決して嫌いではありません。

ただ…
私が雨を苦手とする時
それは、脾が弱っているときです。

東洋医学で、脾は食物から栄養分を吸収し全身に巡らせる、いわば「元気のもと」を作り出す臓。そして「脾は湿を悪む」と言われるように、湿気や体内の余分な水分が苦手です。
食べ過ぎ、精神的ストレス、過労、様々な理由で脾を痛めた結果、雨の日に体が重だるくなったり、やたら眠くなったり、体がむくみやすくなったり、馬力や気力が衰えます。
私の一番のバロメーターは、お酒を飲んだ次の日や、雨の日の目の周りのむくみです。

こんな時には、たとえ食欲があっても、脾への負担を減らすためにできるだけあっさりしたものをよく噛んで食べるようにします。
特に、チーズやおかき(餅米が原料)日本酒のように体内で湿を生みやすい食べ物を避けます。
脾の働きをよくするために、よく歩くようにします。
そして、鍼。

自然界にとっては、恵みの雨。
この雨を嫌いにならないように、梅雨に向けてしっかり脾を盛り立てていきたいと思います。

副島香織

2014年5月26日(月)

香り

自分にとって、いい匂いは、気分を落ち着かせてくれたり、ヤル気を起こしてくれます。
最近は洗剤でもたくさんの種類の芳香剤が売られていますね。
私の好きな香りは、柑橘系や薄荷などが好きです。
どちらも気を巡らし、さらに薄荷は熱をとる作用もあるそうです。
体調によっても、香りの好みは変化します。
冬に体が冷えきった時には、少しだけ桂皮(シナモン)の香りが心地よく感じますが、夏には嗅ぎたくありません。
なぜなら、桂皮は、体を温める作用があるので、内熱傾向の私には夏は避けたい香りです(>人<;)

香りも自分の体調を知るバロメーターの一つになりますね。

平野真奈

2014年5月22日(木)

小さな優れもの part2

引き続きお灸の話です。

先日、兵庫県豊岡に往診に行ったときのこと。
患者さんが蜂に刺され、ご自分で蜂の刺し口にお灸をしたとおっしゃるのです。
「お灸しましたんやわぁ、そしたらまぁ、腫れがすぐにひきましたなぁ」
実はこの方、1ヶ月前にも蜂に刺され、ちょうど往診中の実千代先生にお灸と鍼治療を受けておられました。蜂の刺し口に硬くひねったお灸を5壮ほど。このようにお灸には解毒作用もあります。(5月8日実千代先生のブログもご参照ください)

蜂に刺されると命に関わることも。
豊岡は遠く、すぐに鍼灸院に来れる距離ではありません。
ご自宅にモグサがあり、それを刺された右手に左手でお灸をひねられたその方の奮闘にも拍手ですが、お灸の威力、素晴らしさをまたしても実感したエピソードでした。

ただ、お灸も鍼と同様、使うタイミングや場所はとても重要です。
私自身、学生時代、練習で自分にたくさんお灸をしてのぼせたり、気分が悪くなったこともよくありました。
必要な時に必要な場所へ。
そうすると、絶大な威力を発揮してくれる、小さな優れものです。

副島香織

2014年5月17日(土)

小さな優れもの part1

実千代鍼灸院では、数は多くないものの、時にお灸をします。
その時は私の出番です。
ヨモギから作られるモグサ。
これを米粒の半分、時にはゴマツブ大にひねって、「一壮、二壮」とすえていきます。患者さんの病態に応じて硬さや壮数を調節します。
写真一番左側が半米粒大のお灸です。
中央の米粒や右側の鉛筆と比べて、その小ささがわかっていただけますか。
北辰会ではお灸を次のような目的で使います。
1、温めて陽気を補う
2、寒邪を散らす
3、湿を乾かす
4、お灸の熱で体の余分な熱をとる
5、気を通じさせる
6、煙の芳香で気を巡らせる

私自身は体質が熱傾向なので、自分にはあまりお灸をしませんが、まだ鍼灸専門学校に通う以前、実千代先生の治療でお灸を受けたことがあります。
その時お灸をしてくれたのは、平野先生。
風寒邪でお腹をこわし、冷えきったおなかにお灸を七壮ほど。
私のお腹に入った寒邪を散らしたのです。
最初はなにも感じず、そしてじんわりと体の中から気持ちよく温まっていき、何時間も持続し、お腹の調子もよくなりました。
たった米粒半分を七壮。なのに、この威力。
患者さんにお灸をするときは、この時のことを思い出します。こんな気持ちを感じてもらえるようにお灸をします。

お灸…こんなに小さいのに、本当に優れものです。

副島香織

2014年5月12日(月)

芸術の春

先日、京都に「印象派展」を見に行ってきました。
光の動きや変化を絵画で表現するモネやセザンヌなどに代表される印象派。
私は絵画の前に立つと、作者や題名を見ずにまず絵を心で感じます。
展示されていた数々の絵画は、時間ごと、季節ごとに移り変わる川や空の色や光を見事に捉えて表現していて、たとえ周りの木々や人々の服装がなくても、川や海、空だけから四季や時間がわかります。
「朝焼けの清々しい空気の中、仕事に向かっているのかな」
「春のやわらかな光の中、ウキウキと踊っている、楽しそう」
想像がふくらみます。

実千代先生はよくおっしゃいます。
「絵を見ることは陰を養う」と。
その言葉通り、いい絵を見ると心が落ち着き、静かな気持ちになります。
春は自然界の木々が土からの養分を吸い上げ、一気に枝葉を伸ばす、いわば陽の季節。
人間もしかり。春になるとわくわくしたり新しいチャレンジをしてみようと思う一方、陽が高ぶりすぎるとイライラしたり、めまいがおきたりします。

春こそ時には芸術に触れて、陰を養う時間があってもいいのではないでしょうか?
「芸術の秋」ならぬ「芸術の春」です。

そんなことを感じながら美術館の外に出ると、雨がしとしと。たまにはこんな日もいいかと、静かな気持ちで過ごした1日でした。

副島香織

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