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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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2016年6月25日(土)

棒灸

吉田綾乃です。

お灸大好き鍼灸師です。今回は棒灸についてです。

棒灸は、鉛筆状に艾(もぐさ)を紙に巻いた物です。先端に火をつけて輻射熱の柔らかい刺激で治療を行います。最近、この棒灸の出番が一気に上がってます。

蒸し暑い夏なのにお灸??と思われるでしょうが、梅雨時期は、湿気や夜間の寒冷刺激を受けやすく、そして、クーラーや冷たい飲食物で身体を冷やしてしまう事が多いのです。これらをお灸で治療します。

臓腑や経絡の状態は、身体の表面のツボに表れます。今日の患者さんは、蒸し暑い中でも、足が冷え、且つ、ジメッと発汗がありました。そこで、足にあるツボを棒灸で温めました。治療後、患者さんは全身に血が巡って身体が軽くなりました!と晴れやかなお顔で帰られました。

電気等の温熱刺激でも同様に温める事は出来ますが、私は艾を燃やす事に意味があると感じます。その1つは棒灸の香りです。

棒灸の香りは、独特の渋さがあります。その渋みが私は大好きです。気持ちが穏やかになり、モヤモヤが晴れて行くからです。

棒灸治療をしていると、患者さんから「これはお灸ですか?いい香りですね」とよく言われます。多くの患者さんが、香りに反応されます。よい香りは人の脳によい働きかけをして、身体へもよい反応を起こしていると実感します。

もう1つのお灸の効果は、その煙にあります。お灸の煙は湿気を払ってくれるのです。除湿効果ですね。しかもよい香りつき!本当に優れ物です。湿度が高い日、鍼灸院ではお線香をたいて湿気を払います。お線香の香りも、また私の心を癒してくれています。

鍼灸を知って行くと、古人の偉大さに感謝するばかりです。これからも勉強しながら、鍼灸、同様医学を大事に伝え広げて行きたいと思っています。

2016年6月19日(日)

東洋医学で見る病の原因③

橋本伸浩です。前回は外感の中で六淫と呼ばれる気候の異常な変化による病邪【風・寒・暑・湿・燥・火】の内、風と寒について解説しました。今回東洋医学で見る病の原因③では火・暑・湿・燥邪について解説していきます。

火邪・暑邪

火と暑は元来自然界の灼熱の気温のことですが、熱性をもつ事物のすべてを火邪、暑邪に分類しています。病変の特徴として、温熱の陽邪なので高熱・悪熱・多汗・舌が紅などの熱所見が現れます。火の性質として上に昇る性質があるため、上部を火邪が犯して目の充血や口舌のびらん・頭痛・めまいなどが見られ、心神に火邪が入ると焦燥感・不眠・ひどいと狂躁や意識障害が起こります。

陽熱の邪は毛穴が開く性質があり、多汗の状態になり、口渇・多飲・尿が濃いなど見られ、汗とともに「気」も外泄するので身体の「気」が足りない状態「気虚」となり、息切れ・無力感・ひどい時は突然昏倒したりします。なお火邪や暑邪を感受すると、汗が出なくても身体の水分が消耗され減少し、口渇・冷たい飲物を欲する・便秘・舌が紅く乾燥などが見られます。

現代医学でいう熱中症などはまさに火邪・暑邪が身体に襲って来ている状態です。気温が高い日は自覚的に暑くなくても、口渇や冷たい物が欲しくなる、いつもより尿が濃い、無気力を感じた場合は身体に熱が篭っている状態ですので、クーラーをつけたり、脇の下を冷やすようにしましょう。

火邪・暑邪の影響を受けやすい人は、汗をかきにくい人、辛いものを好んで食べる人、普段から暑がりな人です。これらの人や身体に熱が篭りやすい人や、冷たい物ばかり飲む人は火邪・暑邪の影響を受けやすいので辛い食べ物やにんにくなど体を温める食べ物は避け、身体を冷ます食べ物(ナスやキュウリ、スイカなどの夏野菜)を食べることが重要です。

湿邪

自然界の水湿の邪であり、梅雨時期など湿度が高い環境、汗をかいて湿る、雨にぬれるなどで湿邪を感受し発症します。

湿邪は脾胃(胃腸のこと)の機能を低下させやすく、気の滞りを起こし、陽気を損傷しやすい特徴をもつため、頭がボーッとする・しめつけられるような頭重感などを生じ、胃腸の機能低下による悪心・嘔吐・腹満・下痢などがみられます。

また湿邪は重濁で粘膩の特徴があり、経絡の流れを阻滞すると頭重・身体が重だるい・四肢がだるく痛む・しびれなどが、関節に侵入すると疼痛・動かしにくい・水腫などが見られます。

湿邪の影響を受けやすい人は肥満体質の人、甘い物をよく食べる人(やせていても)、川や湖など周りの環境の湿度が常に高いところに住んでいる人などです。

湿度が上がると身体がしんどい・膝の関節が痛みだす人などは湿邪の影響を受けているので、油っぽい食事や甘い物、もちやもち米をつかったおかきなどは避け、身体の水分を出す食べ物(トウガンやレタス、ハトムギ茶、小豆など)を食べることが重要です。

燥邪

燥は気候の乾燥のことを指し、秋の主気です。特徴として津液(身体の体液の総称)を損傷し鼻腔の乾燥・口渇・咽の乾燥・乾咳・皮膚の乾燥皸裂・髪がぱさつく・便秘を引き起こします。また燥邪は肺に影響しやすいため呼吸器関係(鼻・咽・皮膚)の乾燥が起こります。

秋になると上記の症状がでる人は燥邪を受けている状態ですので部屋の湿度や皮膚が乾燥しないように保湿液を塗ることが重要です。

2016年6月13日(月)

勉強会での学び

平野真奈です。

今日も充実の鍼灸の勉強会でした。
内容は、1日中「体表観察」といって、体のツボの診方を教わる実技でした。
体にはたくさんのツボがあるので、それぞれの骨格や体型に合わせてツボを診、体内の状態を東洋医学的に探り、治療へと繋げていきます。
触れる時は、北辰会は「フェザータッチ」といって繊細なタッチをします。
理由は、人間の体は敏感ですので、雑な触り方をすると、ツボの状態が変わってしまい、本来の体の情報が得られなくなってしまうからです。
患者様に苦痛を与えることなく、術者はツボからの情報を感じとれるようにならねばなりません。
全て掌で触れ、探っていく為、術者の手が温かい事、敏感であることはもちろん、こちらの心持ちも全て相手に伝わります。

今日学んだことは、診るツボだけでなく体全体を意識した上で、フェザータッチのままツボの状態を3Dのようにとらえられたら…と何個も課題があり私には難しい…(>人<;)
頭ではわかっていても、いざやるとこれが本当に難しいです。
診よう診ようとするあまり、変に体が力んでしまったり、実技指導の先生に自分の体の使い方のクセ、ツボの捉え方など細かく丁寧にみっちり教えていただき、本当に勉強になりました!

教わり身に染み込ませた内容を、明日からも臨床で活かせるよう、今日の事を忘れず頑張っていきます!

2016年6月3日(金)

野菜の陰陽

吉田綾乃です。

今回はお料理と東洋医学について書きます。

先日、久しぶりに筑前煮を作りました。レンコン、ごぼうがメインの根菜だらけの筑前煮です。下ごしらえが面倒で、遠退いていたメニューですが、心も身体も温かくなりやっぱり美味しかった(^ ^)

私は食べる事が大好きで、グルメ本、料理雑誌、薬膳料理本などを目の保養としてよく見ます。見ているだけで、食べたつもり、行ったつもりになれるのが嬉しくてたまりません。

東洋自然思想には、野菜にも『陰』と『陽』があり、自然の摂理を食卓に取り込み、心と身体を健やかに保つ、食養生の考え方があります。

例えば、土の上に出来る物は『陰』、身体を水っぽく、身体を冷やす働きを持ち、土の下に出来る物は『陽』、水分が少なく、身体を温める働きがあります。

不思議な事に調理法もこの陰陽を意識すると美味しさが増すのです。それぞれの野菜の癖が調和し、丸みのあるうまみを生み出すそうです。

例えば、陰の物は火の近くの鍋の下の方に、陽の物は鍋の上の方に並べるのです。菜葉は、鍋の火のエネルギーを受けて、上へ上へ上がろうとし、上部の根菜類達は、下に下に降りようとします。そして、うまみ同士がぶつかり合い、調和を生み出します。バラバラに入れるのと、出来上がりが全く違うそうです。

火の通りの早い菜葉を火の近くにするのは、個人的に抵抗感がありますが、自然の摂理を考えると納得出来ます。次回は試してみたいと思います。

食養生に美味しさをプラスして、食に興味の薄いご家族、ご友人、そして当のご本人の為の元気な毎日に役立てられたら嬉しいです。

毎日3度のお料理、何かと面倒ですが、細く長く、食養生を意識し続けていきたいです。

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