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実千代鍼灸院 Michiyo Acupuncture Clinic

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症例

2013年6月8日(土)

亜昏迷様状態(頭がぼ~っとする)・頭痛 []

西宮市在住 30歳 女性
主訴:亜昏迷様状態(頭がぼ~っとする)・頭痛
初診日:平成25年2月中旬

(既往歴~現病歴)
幼児期から肩こりがあり偏頭痛(眉間)から嘔吐することがよくあった。10歳の頃、急性腎炎発症。中学になり生理が始まると、生理前に必ず過食になり頭痛(こめかみと目の奥)が起こる。生理後、過食は治まり、頭痛もやや楽になる。
風邪も引きやすく、風邪を引くと扁桃腺炎、高熱、中耳炎になっていた。
職場ではパソコン作業が殆どで、肩こりや冷えのぼせが酷くなり、腰もだるくなるが、ヨガやダイビングなど運動をしてストレスを発散していた。

昨年、秋、ダイビングに行って軽い減圧症になり関節痛やめまい、耳鳴り等が出現。特に、この後から、頭に酸素が届いていない感じで、頭に膜が張ってるようで、思考が回らなく頭がぼ~っとするようになる。

ヨガにいっても身体はスッキリするものの、頭はぼ~っとして頭と身体が分離しているように感じる。それは、蒸し暑さや飲酒、油物の摂取過剰の時に悪化し、寒い時や休日はマシになる。この症状は病院でも治らず、ホームページにて来院される。

(その他の問診事項)
・今まで入浴で身体はスッキリしていたのが主訴発症後スッキリ感はなくなる。
発汗後、運動後疲れるようになる。
・月経2~3日前から2日目ごろまで経痛有り。主訴に変化は無し。
・よく胃が痛くなる。

(主な体表観察情報)
顔面診:青白色で非常に肌理が細かく光沢あり、肝・腎色抜け。
舌診:老舌(しっかり出せる)、紅舌 若干色褪せ、白~黄膩苔(中焦から下焦)、両舌辺剥けと紅点多数、舌腹紅色。
脈診:1息4至、枯弦脈、幅脈力共に有り。
原穴診:全体的に左が虚でトップは太溪と照海、神門。右は実が多く合谷、太衝の順。
背候診:巨闕兪と神道の1行、2行線左きつい実でその反対が虚、右の肝兪から胃兪実。右の腎兪から志室の繋がった虚。
腹診:心下虚、左脾募実、右肝之相火実、左天枢虚。

(診断治療と考察)
幼児期からの嘔吐や偏頭痛、また生理時に頭痛になることなど、全て上部に症状が現れています。その上、会社でのパソコン作業で更に気が上に上がっている状態です。
元々遺伝的にも腎の蔵が弱いこともあわせて下半身が不安定になり、上下のバランスが崩れていたと思います。上下が崩れれば、左右にも影響がでて全体のバランスが乱れていきます。

体表観察と照らし合わせても、左右、上下のバランスが崩れている事が分かります。
よって、左右を整えながら上下も調える治療方法を意識しました。

初めは、足の照海で下部を補いながら上下左右を整え、次に手の後溪を使い、上部を中心に上下左右を調節していきました。これで、胃痛が良くなり気分も楽になってきました。

しかし、12診治療をしても頭のぼ~っとした感じがとれず、偏頭痛が出てきたため、鍼を刺さない打診治療に切り替えました。
すると、たまに出ていた偏頭痛もなくなり、頭がぼ~っとする感じもかなりマシになってきました。ご本人も、「あのコンコンは何ですか?すごい・・・」と言われるほどです。

現在、22診目です。仕事が多忙な時など頭が痛くなる事もありますが、かなり回復が速くなり打鍼の効果を実感しています。上下左右が大きくバランスが崩れているとき、かつ、実もあるものの虚にウエートががより傾いている時、更に、精神的な疲労度合いが大きい時などを考えると打鍼の方が効果があると思います。

鍼灸治療と共に、好きな運動をして、上手に発散しながら日々のストレスを悠々と乗り越えていっていただきたいです。