11歳男子
【主訴】大便回数過多、起立性調節障害
【病歴】
幼い頃から良く風邪(高熱、咽痛、鼻水)を引き喘息様の咳が出る。
また物心ついた時から、便回数が毎日6〜12回あり、大半はバナナ状で、時々腹痛を伴う。腹痛時は浮く便で臭いもキツイ。症状が現れるのは自宅のみ。学校や塾にいる時は全く排便しない。自宅では一口食べても便意が起こる時がある。
便秘は自然学校の時のみで4日間全く排便が無かった。
高学年から塾の回数が増え運動不足になり起立性調節障害(頭痛と立ちくらみ)を発症。食欲も低下する。
【既往歴】
乳幼児の時、仙尾骨皮膚洞(二分脊髄の可能性があったが手術せず穴は閉じている。合併症として便異常がある)
【診断】
元来負けず嫌いで頑張り屋さんの為、肝気が上り易い性格、且つ繊細で肺気過敏の体質と考える。
外では全く便意無く我慢が出来る事から、過緊張状態が継続して、肝鬱化火〜心火へ。心火内熱が小腸の腑に移行し、便回数過多になったと考えた。
【治療と経過】
初診古代鍼にて、後渓と照海翳し。
2診目から10診目(現在)迄心兪(左)2番鍼にて実側瀉法。
3診目にトイレ回数1回から2回に減る。起立性調節障害も回復。
便回数正常になるが週1回自ら来院。
初診時の舌。
8診目の舌。