
2012年02月06日
どの様な人か推し量るひとつに「眼」を挙げたい。
やはり皆、仕事をしている時の眼は真剣でそれなりに魅力を感じる。
昨年、胸がグンと高鳴るような眼の人をメディアで知った。
ニューヨーク在住のアートディレクターの石岡瑛子さん。
彼女の仕事中の眼差しに釘づけになった。年齢を感じさせない魅力を感じた。
それも恐れ多いが、亡き母の雰囲気そのままで、特に眼差しがそっくりだった。
一度、ニューヨークに行く機会があれば訪ねて行きたいと思った程、印象に残る方だった。
先月末、彼女が73歳で膵臓がんで他界された事を知り驚いた。母とほぼ同じ年齢、同じ病だった。妥協を許さない真剣勝負の眼に、その御苦労が偲ばれた。
自分で仕事中の眼は見る事はできない。それでも、患者さんとは眼と眼がしょっ中合う。
患者さんが私を見る眼は、真っ直ぐで真剣そのもの。
いつもそんな正直な眼に応えていきたいと思いながら脈をとらせて頂いてる。
将来、石岡さんのように胸が高鳴ると言ってもらえる様な眼になることを目標に…
ご冥福を心から祈りたい。
2012年01月02日
今日、見たことの無いような大きな虹が空いっぱいに広がっていた。
ちょうどYさんの告別式に向かう途中のことだった。
昨年9月、Yさんの奥さんから悲壮な声のお電話を頂いた。
医者から癌末期でホスピスへ行くようにとの指示だった。
あれから自宅へ帰って鍼灸治療をしましょうと提案させて頂いた。
この三ヶ月半、どれほど壮絶な命のドラマがあったか、人間の本当の尊さを目の当たりにした毎日だった。
Yさんはどれほど辛くても奥さんを見つめて「かわいそうで、かわいそうで」といつも呟かれていた。
12月半ば頃、今日は先生に質問があります。「もう、死んでもいいですか?」と聞かれた。
私は、「一秒生きることがどれ程貴いことでしょうか。生きて生きて生き抜いて下さい。自分の為に、奥さんの為に。」とお応えした。
Yさんは、「本当に心に染みます。分かりました。」と笑顔を見せて下さった。
Yさんは、痛みもなく、会話もでき、バイタルサインも問題が無かった。亡くなる数日前、私はガン克服宣言をしましょうと提案した。皆んな笑顔になった。
亡くなられる前日、改めて言いたいことがありますと、真顔で「先生、本当にありがとうございました。」と心に刺さる一言を頂いた。
翌朝、静脈瘤が破裂して大量の吐血。なのに、その後、意識もしっかり会話も可能だった。夜、9時半に再度伺ったと同時に、奥さんに手を握られながら本当に静かに眠るように逝かれた。12月30日は忘れられない日になった。
ガンと最後の最後まで闘い抜かれた御姿。だから今日の虹のようにきっとYさんの生命は晴れやかだったのではと感じた。今日のお顔がそう語っていた。
Yさんご夫婦、一緒に走ってくれたスタッフ、そして誰よりもいつもご指導頂き見守って下さった師匠に感謝しかない。