症例

2015年04月24日(金)

不眠症 [その他]

主訴:不眠 50代女性
初診日:平成26年10月中旬

【現病歴】
5年前から夜間尿(1〜2回)出現により途中覚醒するが、すぐに眠れていた。
2年前、クッシング症候群発症後から入眠困難が出現、さらに中途覚醒後、眠れなくなる。
ここ2、3ヶ月は尿意を感じる前に、目が覚めるようになった。(一晩に2〜3回)
1ヶ月後、旅行予定それまでに眠れるようになりたいと来院される。

増悪因子旅行前日(眠ろうと頑張るため、一睡もできないこともある)
       仕事前日(30分から1時間眠れず)、旅行中。
緩解因子:眠れなかった翌日のみ疲れてよく眠る。

その他の症状:幼少期から便秘傾向(緊張や環境変化で増悪)、腰痛(重だるい)、下肢のむくみ、耳閉感、耳鳴り、目のかすみや疲れ、運動時の動悸、目のかすみ、立ちくらみ。
体調のことで思い悩むことが多い。

【各種弁証】
八綱弁証:裏(表証無し)・実(心気鬱)・虚(腎虚・血虚)
臓腑経絡弁証:心(不安感、顔面診心白抜け、左心兪実、左後渓実)、
腎(腰痛、夜間尿、耳鳴りと耳閉感、顔面診腎黒、左照海虚、左太溪虚、腹診右大巨虚)
気血津液弁証:気鬱(心配事があると眠れない)、血虚(爪甲淡白、運動時の動悸、目のかすみ、立ちくらみ、眼瞼痙攣)


【治療方針】
患者さんは、真面目で根を詰めて頑張る性格の為、心身共にゆったり出来ず、身体が疲れていても、神経が立って昼寝が全く出来ません。

ご自分の健康状態に対して不安を持ちながらも、心神(精神)のリラックスが少ないので、心気が鬱っしてる状態と思われます。

その様な状態が長く続いている所、年齢的にも腎気の弱りによる夜間尿等が始まる等、下焦の弱りがみられるようになり、益々心気を昂らせ、廻りを悪くした為に不眠になったと考えました。

腎虚や血虚の症状所見はあるものの、昼寝が出来ない事、不眠でも朝から直ぐ行動に移せる事、食欲が有る事、体表観察所見等と併せ、虚もウエートを占めてるものの、実中心に治療をしてみる事にしました。

【証】心気鬱>腎虚

【配穴と効果】
1診目から3診目迄:後渓穴実側。
5診目から8診目迄:太衝穴
9診目:照海穴

【治療効果と考察】
3診目から朝の6時前頃まで眠れるようになってきました。2年前から朝まで眠れなかったのが、このように、直ぐ結果が出るものは、実中心と考えられます。心気の欝滞をとることによって改善され、1ヶ月後に控えていた旅行でも良く眠ることが出来たようです。

しかし、この患者さんは、実中心といっても虚のウエートも大きいため、5診目から虚を補いながら実を瀉す治療法にしました。

このように、実際の臨床では、虚と実が錯雑している場合が殆んどですので、問診と体表観察を併せて、経過を見ながら、その後の陰陽のバランスを考えていくことが大切になります。

また、この患者さんは、当初、鍼灸治療に半信半疑で、お顔も不安気、マイナスな発言が多かったですが、治療する度に徐々に変化がみられました。

不眠の患者さんが非常に多い現代ですが、不眠に対する鍼灸治療の効果は絶大です。


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